こんにちは!就労継続支援施設B型 歩の大波です。
統合失調症と診断されて、社会復帰に不安を感じていませんか?
「体調が不安定になったらどうしよう」「職場に迷惑をかけてしまうのでは」と心配になるのは自然なことです。
でも、安心してください。
統合失調症を抱えていても、適切な治療と周囲のサポートがあれば、社会復帰は十分に可能です。
今回は、統合失調症の方が社会復帰を考える際に知っておきたいポイントや、社会復帰までの流れ、再発予防の方法などについてご紹介します。
社会復帰への道のりに不安を感じているあなたの気持ちに寄り添いながら、一歩踏み出すためのヒントをお伝えします。
目次
統合失調症でも社会復帰は可能。進めるために大切なこと
統合失調症を抱えていても、社会復帰は十分に可能です。
しかし、そこで最も大切なのは「焦らないこと」です。
統合失調症は脳の機能に関わる病気であり、回復にはそれぞれのペースがあります。
無理に急いで社会復帰しようとすると、かえってストレスになり、症状を悪化させてしまうことがあります。
では、どのような状態になれば社会復帰を考えても良いのでしょうか?
まず第一に、主治医から「就労可能」と判断されることが大前提です。
多くの企業では、復職の条件として「専門医による復職可能の診断書」を求められます。
また、医師の判断に加えて、以下のような状態になれば社会復帰を考えるタイミングかもしれません。
- 薬物療法で症状が安定している
- 規則正しい生活リズムが保てている
- 日常生活に大きな支障がなくなっている
- 周囲の人と基本的なコミュニケーションが取れる
- 自分の体調の変化に気づき、自分で対処できるようになっている
これらの状態が安定して続くようになったら、少しずつ社会復帰への準備を始めても良いでしょう。
ただし、その際も最初から無理な目標を立てず、小さな一歩から始めることが大切です。
統合失調症の人が社会復帰するまでの流れも確認
統合失調症から社会復帰するまでの流れを確認しておきましょう。
1.病状を落ち着かせる
まずは病状を安定させることが最優先。
統合失調症の症状が最も強く現れるといわれている急性期には、幻覚や妄想などの症状が強く出ることがあるため、医師の指示に従って薬物療法をしっかり続けることが重要です。
2.しっかりと休養を取る
症状が落ち着いてくると、次は「消耗期」や「休息期」と呼ばれる時期に入ります。
この時期には意欲の低下や無気力感などの陰性症状が目立つことがありますが、これは脳が回復するために必要な休息の時間でもあります。
無理に活動しようとせず、ゆっくりと休養することを心がけましょう。
3.リハビリに取り組む
休息期を過ぎると「回復期」に入り、少しずつ社会活動への準備が始まります。
この段階で大切なのが、段階的なリハビリテーションです。
具体的な流れとしては、以下のようなステップが考えられます。
①デイケアなどで生活リズムを整える
まずは外出する習慣をつけ、他者との交流に慣れていきます。
②地域活動支援センターを利用する
地域活動支援センターでは、創作活動やレクリエーションなどを通じて、社会性を徐々に身につけていくことができます。
③リワークプログラムで社会に出る練習をする
医療機関や障害者職業センターなどが提供するリワークプログラムでは、実際の就労に近い環境で練習することができます。
④就労継続支援(A型・B型)を利用する
ここで実際の仕事に携わりながら、働く力を養っていきます。
就労継続支援については、次でも詳しくご紹介しますね。
⑤職場復帰や新たな就労へ
状態が安定してきたら、元の職場への復帰や新たな就労先を探すことを検討します。
このように段階を踏んで、少しずつ社会との接点を増やしていくことが重要です。
自分のペースで進んでいくようにしましょう。
社会復帰への一歩となる就労継続支援は2種類ある
社会復帰の重要なステップとなる就労継続支援には、A型とB型の2種類があります。
「就労継続支援A型」は、雇用契約を結んで働く形態です。
最低賃金が保障されており、より一般就労に近い環境で働くことができます。
しかし、勤務時間や仕事内容について、ある程度の決まりや成果が求められることもあります。
一方の「就労継続支援B型」は、雇用契約を結ばず、自分のペースで働ける形態です。
雇用ではないので工賃は最低賃金以下の場合が多いですが、体調に合わせて働き方を調整しやすいというメリットがあります。
私たち「就労継続支援施設B型 歩(あゆみ)」も、統合失調症をはじめとする精神疾患をもつ方々が、無理なく働ける環境づくりに努めています。
「就労継続支援施設B型 歩」利用者様の体験談
実際に歩を利用して社会復帰への一歩を踏み出した方の体験談も、参考にご紹介します。
Hさん(20代男性)は、精神的な病で日常生活に支障が出るほどの状態でしたが、歩に通うことで生活リズムが整ってきました。
「最初は週1回からのスタートでしたが、スタッフの方々のサポートのおかげで毎日通えるようになりました。スタッフと一緒に就職活動を進め、自分にぴったりの仕事を見つけることができました」と嬉しい言葉をいただきました。
就職後は遅刻せずに出勤できるようになり、さまざまなことに取り組む中で自信がついたと言います。
「今では同僚に仲間として認めてもらえていると感じ、嬉しいです」と社会復帰の喜びを語ってくれました。
「歩(あゆみ)」では、統合失調症や障がいなどによりすぐに一般就労が難しい方々に、安心して一歩を踏み出せる環境を提供しています。
JR手稲駅から徒歩3分という通いやすい立地にあり、精神保健福祉士やキャリアコンサルタント、介護福祉士などの専門スタッフが常駐し、日々の体調管理から将来の就職支援まで、安心できるサポート体制を用意しています。
社会復帰の第一歩として、求人の開拓や応募書類の添削、面接同席といった実践的なサポートを受けられます。
軽作業などの就労訓練を通じて、少しずつ働く感覚を取り戻しながら、自分のペースで社会とのつながりを築いていける場所です。
「社会復帰のために、まずは短時間から働いてみたい」「生活リズムを整えたい」「将来的には就職も目指したい」そんな想いを持つ方を、全力で応援します。
ご興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しくださいね。
統合失調症を再び悪化させないために気を付けること
社会復帰後に再び症状が悪化することを防ぐためには、特に以下の注意が必要です。
- 自己判断で服薬をやめない
- 規則正しい生活リズムを維持する
- ストレスをためないようにする
まず何よりも重要なのが、自己判断で薬を減量したり中止したりしないことです。
症状が安定してくると「もう大丈夫だから薬はいらない」と思いがちですが、これが再発の大きな原因となります。
必ず医師の指示に従って服薬を続けましょう。
そして、規則正しい生活リズムを維持することも重要です。
睡眠不足や不規則な生活は脳に負担をかけ、症状の再燃につながりやすくなります。
毎日決まった時間に起床・就寝し、バランスの良い食事を心がけると良いでしょう。
また、社会復帰後は何かとストレスがかかると思いますが、できるだけため込まないようにすることも大切です。
体を動かしたり趣味を楽しんだりなど、自分なりのストレス発散法を見つけて気分転換をしていきましょう。
体調の変化に敏感になり、早めの対処を心がけることも再発予防には効果的です。
次のような体のサインはストレスや再発の前兆でもあるので、気づいたら早めに主治医へ相談してくださいね。
- 睡眠の質が低下する
- 音や光に過敏になる
- 疲れやすくなる
- イライラしやすくなる
- 集中力が落ちる
また、統合失調症の方は、うつ病を併発するケースも少なくありません。
統合失調症と同様に、うつ病でも社会復帰に不安を感じる方は多いと思います。
「うつ病で社会復帰できない(怖い)と悩む方が無理なく進める方法」では、うつ病の方が社会復帰するためのステップや注意点を解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
最後に、一人で抱え込まず、困ったときには周囲に助けを求めることも忘れないでくださいね。
家族や友人、職場の上司や同僚、そして医療・福祉の専門家など、支援してくれる人たちとつながりを持ち続けることで、再発のリスクを減らすことができます。
統合失調症でも社会復帰は可能!焦らず自分のペースで
統合失調症の診断を受けていても、適切な治療と周囲のサポートを活用しつつ、社会復帰は可能です。
大切なのは、自分のペースで一歩ずつ進んでいくこと。
社会復帰の形は人それぞれ、自分らしい生き方を見つけていくことが重要です。
まずは主治医の指示に従って治療を続け、状態が安定してきたら地域活動支援センターやリワークプログラムなどを利用して、社会との接点を少しずつ増やしていきましょう。
その上で、就労継続支援などを活用しながら、働く力を徐々に養っていくことで、社会復帰への道が開けていきます。
また、社会復帰後も再発予防のために、服薬の継続や規則正しい生活、ストレス管理などに気を配っていきましょう。
私たち「就労継続支援施設B型 歩」は、統合失調症をはじめとする精神疾患の方々の社会復帰をサポートしています。
一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
あなたらしい社会復帰の形を、一緒に見つけていきましょう。