こんにちは!就労継続支援施設B型 歩(あゆみ)の大波です。
うつ病の症状が落ち着いてきたとき、「そろそろ社会に戻りたいけれど、本当に大丈夫だろうか」と悩むのは自然なことです。
「怖くて社会復帰できないかもしれない」「また調子を崩したらどうしよう」と不安に感じる方は少なくありません。
今回は、うつ病の方が安心して社会復帰するための選択肢や方法、準備のポイントについてお伝えします。
「どのような形で社会に戻れば良いのか」「復帰への不安をどう和らげるか」といった疑問にお答えし、無理のない社会復帰のヒントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
うつ病で社会復帰できないと悩む方の選択肢は?
うつ病から回復して社会復帰を考えるとき、「元の職場に戻るしかない」と思いがちですが、実はさまざまな選択肢があります。
自分の状態や希望に合わせて、無理のない形を検討しましょう。
社会復帰の形には次のような選択肢があります。
- 元の職場に復職する
- リワークプログラムを利用する(復職に向けたリハビリ支援)
- 新しい職場へ転職する
- 障害者手帳を取得して障害者雇用枠で働く
- 負担の少ないパート・アルバイトで働く
- フリーランスで自分のペースで働く
- 就労移行支援を利用する(新たに一般就労を目指すための支援)
- 就労定着支援を利用する(就職後の定着をサポートする制度)
- 就労継続支援を利用する(一般就労が難しい方が支援を受けながら働ける制度)
「今の職場に復職したい」と考えている方は、その前段階としてリワークプログラムを利用して職場復帰に向けた準備を整えるという選択肢もおすすめです。
そのほか、再就職に強い不安を感じている場合は、まずはパートやアルバイトなど、短時間・低負荷の働き方から始めるのも一つの方法。
求人探しや勤務条件の調整について、地域のハローワークや障害者就業・生活支援センターなどで相談できる支援もあります。
フリーランスや在宅ワークといった自分のペースで働けるスタイルも、無理のない社会参加の方法として選ばれるケースがあります。
また、「体調に不安があり、いきなりの転職は難しいけれど、新しい職場で働きたい」という方には、段階的に就職を目指せる支援制度として、就労移行支援が設けられています。
「働き始めたものの続けられるか不安」という方には、職場への定着を支える制度である就労定着支援もあるので、検討してみると良いでしょう。
就労継続支援は、一般企業で働くことが難しい方が支援を受けながら専門施設で働くことができる制度です。
働き方の段階や体調に応じて、A型・B型の2つの形態から選べます。
リワークプログラム、就労移行支援・就労定着支援、就労継続支援については、後ほど詳しくご紹介しますね!
うつ病は「焦らないこと」が大事!社会復帰前の考慮点と必要な段階
うつ病からの社会復帰で最も重要なことは、「焦らないこと」です。
厚生労働省のデータによると、うつ病の再発率は約60%とされています。
無理に復帰しようとすると、症状が再発するリスクが高まる可能性があります。
社会復帰のタイミングは、自己判断ではなく、必ず主治医やカウンセラーに相談して決めましょう。
自分では「もう大丈夫」と思っても、実はまだ時間が必要という場合があります。
再発につなげないためには、まず医師の診断を受け、復職診断書をもらってから次のステップに進むことが大切です。
社会復帰までの一般的な段階
うつ病からの社会復帰は通常、以下のような段階を踏んで進めるとスムーズです。
- 休養:まずはしっかり休み、症状の安定を目指します
- 生活リズムの回復:起床・就寝時間を整え、日常生活のリズムを取り戻します
- 準備:外出や軽い運動など、少しずつ活動量を増やしていきます
- リハビリ:リワークプログラムなどを利用して、仕事に必要な能力を取り戻します
- 試し出勤:本格的な復帰前に、短時間から少しずつ慣らしていきます
- 本格的な社会復帰:医師に確認した上で、実際に職場復帰や新たな仕事を始めます
一つひとつのステップをゆっくり進め、無理のない社会復帰を目指しましょう。
就労継続支援など無理せず復帰に向かえる方法を詳しく説明!
うつ病から焦らず無理なく社会復帰するための方法として、就労継続支援や就労移行支援・就労定着支援、リワークプログラムがあるとお伝えしました。
これらを活用することで、自分のペースで社会復帰への準備を整えることができます。
選ぶポイントもお伝えしますので、選択肢の一つとして検討してみてくださいね。
就労継続支援
就労継続支援とは、うつ病や障がいなどにより一般企業で働くのが困難な方に、支援を受けながら働ける場所を提供する制度です。
専門スタッフが常駐し、病状や体調などに合わせて無理なく働けます。
また、定期的に通所することで生活リズムを整え、実際の作業を通して周りのスタッフとコミュニケーションをとったり、働くための基本的なスキルを身につけたりすることもできます。
就労継続支援にはA型とB型の2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
【就労継続支援A型】
- 雇用契約を結び、最低賃金以上の給料が支払われる
- 1日4~5時間程度、週3~5日程度の就労が多い
- うつ病や障がいなどに配慮した支援がありつつ、一般企業に近い環境で働ける
【就労継続支援B型】
- 雇用契約を結ばず、体調やペースに合わせて働ける
- 給料ではなく、作業内容や時間に応じた工賃が支払われる
私たち「歩(あゆみ)」は、この就労継続支援B型です。
うつ病や障がいなどによりすぐに一般就労が難しい方々に、安心して一歩を踏み出せる環境を提供しています。
JR手稲駅から徒歩3分という通いやすい立地にあり、精神保健福祉士やキャリアコンサルタント、介護福祉士などの専門スタッフが常駐し、日々の体調管理から将来の就職支援まで、安心できるサポート体制を用意しています。
就活に向けては、求人の開拓や応募書類の添削、面接同席といった実践的なサポートを受けられます。
軽作業などの就労訓練を通じて、少しずつ働く感覚を取り戻しながら、自分のペースで社会とのつながりを築いていける場所です。
「まずは短時間からでも働いてみたい」「生活リズムを整えたい」「将来的には就職も目指したい」そんな想いを持つ方を、全力で応援します。
気になる方はぜひ一度、見学にいらしてみてくださいね!
就労移行支援・就労定着支援
就労移行支援は、うつ病などでブランクがある方や体調に不安がある方が、一般企業への就職を目指して利用できる制度です。
通所を通じて生活リズムを整えながら、パソコンやビジネスマナーなどのスキル習得、履歴書の作成や面接練習、企業見学など、実践的な就職活動の支援を受けられます。
原則2年間の支援期間内で就職を目指します。
就労定着支援は、就職後に職場に定着し、長く働き続けられるよう支える制度です。
定期的な面談を通じて不安や悩みを共有し、必要に応じて職場や医療機関と連携しながら、勤務環境や生活面のサポートをしてもらえます。
就労移行支援や就労定着支援は、「一般就労を目指したい」「働き続けたい」という意思がある方に向いています。
一方、すぐの就職が難しく、体調に合わせて無理なく働きたい方には、就労継続支援が適しているといえるでしょう。
リワークプログラム
リワークとは「return to work(リターン トゥー ワーク)」の略で、うつ病などで休職中の方が、再び働ける状態を目指して行うリハビリ的なプログラムです。
主に医療機関や地域障害者職業センター、就労移行支援事業所などで提供されており、復職前の心身の準備を整える場として活用されています。
プログラムでは、次のような内容に取り組みます。
- 生活リズムを整えるトレーニング
- 集中力・対人関係スキルの回復・向上
- 自身の能力や職業適性の発見
- ストレスとの付き合い方や対処法の習得学習
- 実際の職場を想定した環境での作業訓練
これらを通じて、復職後に再び休職しないための土台作りをします。
就労移行支援や就労定着支援は、一般企業への新たな就職や、就職後に働き続けることを目的とした制度です。
また、就労継続支援は、体調や障がいの状況に応じて、支援を受けながら働き続けることを目的としています。
一方、リワークプログラムは「今の職場に戻ること」を前提とした支援であるため、現在の勤務先への復帰を前提としているケースにおいて、適している場合があります。
うつ病の方が社会復帰前に不安を取り除く方法
うつ病からの社会復帰は、身体的な準備だけでなく、心の準備も重要です。
不安を少しでも和らげるために、準備しておくと良いポイントをご紹介します。
生活リズムを整える
社会復帰の第一歩は、規則正しい生活リズムを取り戻すことです。
例えば、こんなことに取り組んでみましょう。
- 決まった時間に起きる・寝る
- 朝ごはんをきちんと食べる
- お日さまの光を浴びる
- 軽い運動をする
心と体の健康を戻すためにできる対策
心と体のバランスを取り戻すために、次のようなことを試してみましょう。
- 深呼吸やストレッチなどのリラクゼーション法をやってみる
- 趣味や好きなことに時間を使ってみる
- 簡単な家事などで少しずつ活動量を増やす
- 「できなかったこと」より「できたこと」に注目してみる
社会復帰に向けた具体的な準備
実際の社会復帰に向けては、次のような準備も進めていくと良いでしょう。
- 自分の強みや特技を再確認する
- 興味のある分野の資格取得に挑戦してみる
- 面接の練習をする
- 支援制度を調べる
社会復帰は一気に行うものではなく、小さなステップの積み重ねです。
焦らず、一つひとつクリアしていくことで、自信を取り戻していけます。
うつ病で社会復帰できない(怖い)と思うときこそ焦らず一歩ずつ
「うつ病で社会復帰ができないかもしれない」「社会復帰するのが怖い」と感じるのは自然なことです。
一人で悩まず、専門家に相談しながら、小さな一歩から始めましょう。
復職は誰にとっても不安を伴うものですが、適切なサポートを受けながら進めることで、自分らしい社会復帰の形が見つかります。
症状の回復度合いや状態に合わせて、まずは主治医に相談し、必要に応じて就労継続支援や就労移行支援・就労定着支援、リワークプログラムなどを検討してみてはいかがでしょうか。
私たち就労継続支援施設B型「歩(あゆみ)」は、うつ病からの社会復帰に向けて、無理のない歩みを支える場所です。
「すぐには働けないかもしれない」「まずは生活リズムを整えたい」そんな思いを大切に、あなたに合ったペースで一緒に進んでいきます。
見学やご相談は、いつでも受け付けています。
社会とのつながりを取り戻す一歩を、ここから始めてみませんか?